平叙文の最後に疑問の形をつけ加えて、相手に同意を求めたり確認する用法を付加疑問といいます。話し言葉の用法であり、ライティングでは使いません。肯定文には否定の付加疑問、否定文には皇帝の付加疑問がつきます。自分の言っていることに自信がなく、相手に確認したいときは上昇調に、自分の言っていることに自信があり、相手に同意を求めたいときは下降超に発音します。
肯定文の付加疑問
It is…, isn’t it?
“By the way, where’s Miss Suzumiya?” “She’s got clean-up duty. It sure is peaceful if she’s not around, isn’t it?”
小泉が涼宮さんはどこにいるかキョンに尋ねると、キョンがハルヒは掃除当番だと返答します。ハルヒがいないとなんて平和なんだとキョンはつぶやきます。by the wayは「ところで」、clean-upは「掃除」、peacefulは「平和な、平穏な」、be not aroundは「そばにいない」という意味です。ここではisn’t it?が上昇調に発音され、キョンはハルヒがいないと平和であることの確認を求めています
You are…, aren’t you?
“It’s very rude to talk to a girl before you’ve been introduced and before you know her name. Hmph!” “Hmm. You’re kind of old-fashioned, aren’t you? You sound like my grandmother.”
トンボになれなれしく声をかけられたキキは突然キレます(短気だなあ(-“”-;) )。「それにきちんと紹介もされていないのに女性に声をかけるなんて失礼よ。」 rudeは「粗雑な、無作法な」、talk toは「~に話しかける」、be introducedは「紹介される」という意味です。トンボは「さすがは魔女だなあ。ぼくのばあちゃんみたいだ」と返答します。kind ofは断定さを避ける時に使います。「ちょっと」と訳せばよいです。sound likeは「~のように聞こえる」という意味です。ここでもaren’t you?は上昇調に発音されています。つまりトンボはキキに「だよね~」という感じで確認を求めて付加疑問を使っています。
They are…, aren’t they?
“Stay here tonight? I’m afraid I don’t understand. Your parents are here with you, aren’t they?” “No, sir, I’m alone.”
ホテルに泊まろうとしたキキですが、フロントのお兄さんに「お泊り?どなたか…」と聞き返されます。日本語版では短いセリフが英語版では「今夜泊まりたい? すいませんよくわからないのですが、お父さんとお母さんはご一緒ですよね」とかなり意訳されています。ここでフロント係はキキに親と鋳ることを確認しているのでaren’t theyは上昇調に発音されています。
You do…, don’t you?
“When you fly, you rely on what’s inside of you, don’t you?” “Uh-huh. We fly with our spirit.”
ウルスラ「魔法ってさ、呪文を唱えるんじゃないんだね。」
キキ「うん。血で飛ぶんだって」
というセリフが、英語版では全く違うセリフになっています。「血で飛ぶ」という表現に問題を感じたのかもしれません。rely onは「~に頼る」、inside ofは「~の内側に」、spiritは「気持ち、気力、スピリット」という意味です。ここでも確認を求めているのでdon’t you?は上昇調で発音されています。
She has…, hasn’t she?
Nagato’s always been in the middle of this elaborate scenario, hasn’t she?
『涼宮ハルヒの憂鬱』で長門がいつも手の込んだシナリオの中にいるとキョンがつぶやいています。in the middle ofは「~の真っ最中に」、elaborateは「精巧な、精緻な」という意味です。
否定文の付加疑問
否定文の後に付加疑問を続けるときは付加疑問は肯定の形を取ります。
It isn’t…, is it?
It isn’t right for us adults to destroy the future of the children, is it?
2005年から2006年にかけてTV放映された『ノエイン もうひとりの君へ』 というアニメの一節です。「子どもたちの未来をおれたち大人が壊しちゃいけねえだろう。」(警察官の郡山京司)
郡山はいっしょにいた科学者の内田涼子に同意を求めてこう言っているので、is it?は下降調で言っています。
This isn’t…, is it?
“This isn’t a dream, is it?” “No. I came back from Italy a day early.”
イタリアに行っていた聖司に再開した雫。「夢じゃないよね。」「飛行機を1日早くしたんだ。」
come back fromは「~から戻る」、a day earlyは「一日早く」。雫は夢じゃないか聖司に確認を求めているので上がり口調でis it?と言っています。
You are not…, are you?
“Wow. It’s almost like we’re in the sky.” “You’re not afraid of heights, are you, Shizuku?”
雫が「わあ… 空に浮いてるみたい…」とつぶやくと、聖司が「高所恐怖症?」と尋ねます。Are you afraid of heights? と言ってもよい場面で聖司は付加疑問で高所恐怖症じゃないか雫に確認していますね。heightは「高さ、高い所」、be almost like…は「ほとんど~のようだ」、be afraid ofは「~を恐れる」という意味です。