大ヒット中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』の最初の場面で、ロンドンのヒースロー空港で荷物係として働くフレディが「パキ」と呼ばれる場面があります。なぜパキスタン系ではないフレディが「パキ」と呼ばれたのでしょうか(彼の両親はペルシャ系インド人でフレディ自身も幼少の頃インドに住んでいました)。
Pakiが南アジア系の人たちに対する侮蔑語という事を 『ベッカムに恋して』 (Bend It Like Beckham)を見て知りました。この映画で、主人公のインド系英国人の女の子がサッカーの試合中に相手チームの選手からPakiと呼ばれてキレる場面があります。
Pakistaniが略されてPakiになったわけです。あれっ、主人公はインド系なのに、と思って調べてみたら、イギリスではインド、バングラディシュ、アフガニスタンからの移民に対してもPakiという侮蔑語がよく使われるそうです。インドとパキスタンは文化・宗教がまったく異なるし、敵対国でもあるから、インド系イギリス人がPakiって言われるとホントキレるんでしょうね。アメリカでも韓国人がJapって言われるとマジギレしますから。ちなみに私はアメリカに10年ほど住んでいましたが、直接Japって言われたことはないです。高校生にペットボトルを車から投げつけられたり、ナイフをもった黒人男性が家までついてこようとしたことはありますが(^^;)。子供にChineseやBlackって呼ばれたことはあります。5歳くらいの子はアジア系の人をみんなChineseとカテゴライズし、2歳くらいの白人の子は白人じゃないとみんなBlackになったりします。決してバカにしてそう言っているわけではないのでいちいちキレちゃだめですよ。
ちなみに日本語のタイトルをみて勘違いしそうですが、主人公のジェス(パーミンダ・ナーグラ)はベッカムのことを好きになったからサッカーを始めたわけではありません。原題Bend It Like Beckhamのbendはcurveという意味です。つまり、ベッカムのように弧を描くキックをうまく蹴りたいというのが元々のタイトルの意味です。
他民族に対して中傷することをethnic slurと言います。韓国でチョッパリ、中国でリーペンクイツ(日本鬼子)と言われたら、その場からすぐに立ち去るのが無難です。チョッパリとは豚の足のことですが、日本の足袋が豚の足に似ているので日本人を中傷するときに使われるようになりました。ちなみに日本鬼子は2チャンネラーの手により萌え化されました。この肩透かし作戦は見事ですね。
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