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【5分でわかる英語の動名詞】分詞とto不定詞との違いに注目

動名詞は名詞的な性質をもつ準動詞「~ing」の形をとります。準動詞には不定詞・分詞・動名詞の3つがありますが、「~ing」の形をとるのは分詞と動名詞の2つです。分詞は形容詞的な性質をもち、名詞を修飾します。動名詞は名詞的な性質を持ち、文の中の主語・目的語・補語になります。

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動名詞は名詞的な性質をもつ準動詞「~ing」の形をとります。準動詞には不定詞・分詞・動名詞の3つがありますが、「~ing」の形をとるのは分詞と動名詞の2つです。また進行形も「~ing」の形をとります。進行形と動名詞の区別をするのは簡単ですが、動名詞と分詞の違いが分からない人は多いようです。分詞は形容詞的な性質をもちます。「形容詞的」というのはつまり名詞を修飾するということです。動名詞は名詞的な性質を持ちます。「名詞的」というのは文の中の主語・目的語・補語になるということです。このことに気をつけていれば、分詞と動名詞をごちゃまぜにすることはなくなります。分詞については以下の記事をお読みください。

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では、動名詞についてじっくり見てみましょう。

目次

動名詞の用法

動名詞は名詞相当語句として主語や目的語や補語になります。

主語になる

ハウルの代わりに宮殿に行ったはずなのに、結局ハウルも来たことに対してソフィーが「ハウルが来るなら私が来ることなかったのよ!」と言うと、ハウルがこう言い返します。

「ソフィーがいると思うから行けたんだ。」

英語版『ハウルの動く城』より

Knowing you’d be there gave the courage to show up.
you’d=you would; courage=勇気; show up=現れる

動名詞のKnowing以下が主語になっています。 動名詞を不定詞に変えてTo know that you would be thereと言い換えることができます。不定詞がよくわからない人は以下の記事をお読みください。

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動詞の目的語になる

動名詞は動詞の目的語になることができますが、to不定詞も動詞の目的語になることができます。後で述べるように、動詞には目的語に①to不定詞だけをとる、②動名詞だけをとる、③動名詞とto不定詞のどちらもとる、の3種類があります。ある動詞がどれに当てはまるかは、基本的に「理屈」で覚えることはできません。大事なのは「慣れ」による「感覚」です。例えば、多読していれば「~を嫌う」という意味のhateは動名詞だけでなくto不定詞もとることが感覚的にわかります。例えば、 「彼とキスするのは嫌だ」という意味で I hate to kiss him. と言えるし、下の例文のように「子供でいることが嫌だ」という意味で I hate being a child. と言っても違和感を感じません。

英語版『ノエイン もうひとりの君へ』より

前置詞の目的語になる

動名詞は動詞の目的語だけでなく、前置詞の目的語にもなります。例えば、以下のパズーのセリフを見てください。

「人がいなくなってからもずっとここを守ってたんだね。」

英語版『天空の城ラピュタ』より

And they’ve kept on guarding the place, even long after all the people have gone.
keep on…ing=~し続ける; guard=~を守る; even=~でさえも; long after=~のずっと後に

theyはラピュタの園庭にいたロボットのことです。「~し続ける」というkeep onの後に動名詞が続いています。

次は『風の谷のナウシカ』でのセリフ。ナウシカが王蟲の抜け殻を見つけて、「谷の人が喜ぶわ。道具づくりの材料にずっと困らなくてすむもの。」とつぶやきます。

英語版『風の谷のナウシカ』より

This should make the people of the valley happy. They won’t have to worry about finding materials for making tools for a long time.
valley=谷; worry about=~について心配する; material=原料、材料; tool=道具; for a long time=長い間

worry aboutの後のfindingが動名詞です。

補語になる

動名詞は補語になることもあります。進行形も同じ形になるので間違わないように気をつけてください。I am playing tennis. だと現在進行形で「私はテニスをしています。」、My hobby is playing tennis. だと動名詞で「私の趣味はテニスをすることです。」という意味になります。

動名詞を用いた慣用構文

『実践ロイヤル英文法』(pp.178-180)には以下の動名詞を用いた慣用構文が紹介されています。

It is (of) no use ~ing  ~しても無駄である
There is no ~ing  ~することは不可能である
on ~ing  ~するとすぐに
feel like ~ing  ~したい(ような気がする)
It goes without saying that …  …は言うまでもない
never … without ~ing  …すれば必ず~する
worth ~ing  ~する価値がある
Would [Do] you mind ~ing?  ~していただけますか
cannot help ~ing  ~しないわけにいかない
be accustomed to ~ing  ~するのに慣れている
be used to ~ing  ~するのに慣れている
look forward to ~ing  ~するのを楽しみにしている
What do you say to ~ing?  ~したらどうだろう

すべて重要構文なのでしっかりマスターしてください。いくつか例文を紹介します。まずは「worth…ing ~する価値がある」

Education is an admirable thing, but it is well to remember from time to time that nothing that is worth knowing can be taught.
education=教育; admirable=称賛に価する; from time to time=sometimes; teach-taught-taught=~を教える

アイルランド出身の作家であるオスカー・ワイルドの言葉です。「教育は立派なものだ。しかしいつも忘れてはならない。知る価値のあるものは、すべて教えられないものだということを。 」

次は「Would [Do] you mind ~ing? ~していただけますか」。修行の旅に出た夜、キキは空で別の魔女っ子に声をかけると、「その音楽とめてくださらない?静かに飛ぶのが好きなの」と言われます。

英語版『魔女の宅急便』より

“Uh-huh. Would you mind turning off that radio?”
turn off a radio=ラジオを切る

Would you mind ~ing …?は「~していただけますか」という意味の丁寧な依頼表現です。もっとぶっきらぼうだと Will you turn off that radio? となりますが、ここではより丁寧な表現で依頼することで、逆にこの女の子はキキとの関係に距離感を生み出しています。

ラストは「look forward to ~ing ~するのを楽しみにしている」という表現。

ミトはナウシカにこう言います。「今宵はまた異国の話を聞かせて下さい」

英語版『風の谷のナウシカ』より

I’m looking forward to hearing all the news from the other kingdoms tonight.
kingdom=王国

動名詞とto不定詞

動詞には①動名詞だけを他動詞の目的語にとる動詞、②to不定詞だけを他動詞の目的語にとる動詞、③動名詞とto不定詞のどちらも他動詞の目的語にとる動詞があります。

to不定詞だけを目的語にとる動詞

to不定詞だけを目的語にとる動詞には以下の動詞があります(『実践ロイヤル英文法』, p.183参照)。

claim to do
decide to do
decline to do
demand to do
desire to do
determine to do
expect to do
hope to do
learn to do
manage to do
mean to do
offer to do
pretend to do
promise to do
refuse to do
resolve to do
seek to do
wish to do

これらの動詞は動詞の後に動名詞が続かないことは英語に慣れ親しんでいれば丸暗記しようとしなくても容易に習得できます。例えば、I hope to play in one of the European Leagues. (私は欧州のリーグのどれかで試合をしたい)という文を間違って誰かが I hope playing in one of the European Leagues. と書いたとしても、hopeの後に…ingの動詞が続く英語をまったく見聞きしていなければおかしいと感覚的にわかります。

動名詞だけを目的語にとる動詞

動名詞だけを目的語にとる動詞には以下の動詞があります(『実践ロイヤル英文法』, p.184参照)。

admit ~ing
avoid ~ing
consider ~ing
deny ~ing
enjoy ~ing
escape ~ing
excuse ~ing
finish ~ing
give up ~ing
imagine ~ing
involve ~ing
mind ~ing
postpone ~ing
put off ~ing
stop ~ing

ただし、stopは後にto不定詞がくることがあるので注意してください。例えば、「タバコをやめた」はI stopped smoking. ですが、I stopped to smoke. だと、「立ち止まってタバコを吸った」という意味になります。stopを動名詞だけをとる動詞としたのは『実践ロイヤル英文法』の間違いでしょうか?

以下、動名詞が目的語に来る動詞の例文をいくつか紹介します。

まずはfinish。『耳をすませば』で雫が古時計の細工を見て「わーっ、きれい。これ、なんですか?」と言うと、おじいちゃんの西司朗が「ふふふ、できあがってのお楽しみ。」と言います。英語版では「これをちょうど修復し終えたばかりなんだよ」という文句になっています。

I just finished restoring this.
restore=~を回復する、修復する

『実践ロイヤル英文法』のリストには漏れていますが、keepも「~し続ける」という意味で後に動名詞が続きます。keep to doとなることはありません。

break away=関係を断つ; protect=~を守る; prefer=~を好む; coward=臆病者

If we don’t break away, Howl will keep protecting the hat shop. I’d preferred him as a coward.
あたしたちがここにいるかぎり、ハウルは戦うわ。あのひとは弱虫がいいの。

動名詞とto不定詞のどちらも目的語にとる動詞

他動詞には動名詞・to不定詞どちらも目的語にとれるものがあり、動名詞とto不定詞で意味が変わるものと変わらないものがあります。『実践ロイヤル英文法』(184-5ページ)で「意味にあまり差のないもの」として以下の動詞をあげています。

begin to doとbegin …ing
cease to doとcease …ing
continue to doとcontinue …ing
hate to doとhate …ing
like to doとlike …ing
love to doとlove …ing
prefer to doとprefer …ing
start to doとstart …ing

「意味上差がある」動詞として挙げられているのは以下の動詞です

forget to do (忘れずに~する)とforget …ing (~したことを忘れる)
need to do (~する必要がある)とneed …ing (~される必要がある)
regret to do (~して残念に思う)とregret …ing (~したことを後悔する)
remember to do (忘れずに~する)とremember …ing (~したことを覚えている)
try to do (~しようと試みる)とtry …ing (試しに~してみる)
want to do (~することを欲する、~したい)とwant …ing (~される必要がある)

以下、これらの動詞をいくつか例文を通して見てみます。まずはstop ~ing

Hey, it stopped raining. Look.
聖司: 雨あがるぞ。

「~することをやめる」という意味でstop ~ingの動詞が使われています。

次はbegin to doを使ったセリフです。

soaking wet=ずぶぬれで; on the way=途中で

Oh, well, I’m sorry. It began to rain on the way.
on the way=途中で

キキがニシンのパイを配達に行った場面です。配達先の女の子が「まあ、ずぶぬれじゃない」が言うと、「急に降ってきたもんですから。でもお料理は大丈夫です」とキキが返答します。beginは後に動名詞をとることもできるので、It began raining on the way. と言ってもかまいません。

次はremember ~ing

Yeah, I remember being in darkness.
in darkness=暗闇で

釜爺に「おまえ、なにも覚えてないのか?」と聞かれると、ハクは「切れ切れにしか思い出せません。」と返答しますが、英語版では「暗闇にいたことは覚えている」という意味のセリフになっています。remember ~ingとremember to doの違いに注意してください。remember to be in darknessだと「忘れずに暗闇にいる」という意味になります。

動詞tryは「~しようと試みる」という意味でtry to doの形が使われることが多いですが、次のセリフでは「試しに~してみる」と言う意味で try ~ing が使われています。

writer=作家

雫の「だったらあたしも試してみる。決めた! あたし物語を書く!」が

That’s what I’ll do. I’ll try being a writer.

と訳されています。ここで雫が I try to be a writer. と言うと「作家になろうとする」という意味になります。I try being a writer. は「ためしに作家になってみる」という意味です。

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