The rest is history.
The rest is history. という慣用句があります。 直訳して「残りは歴史です」では意味が通じません。ここでのhistoryは皆が知っていることという意味です。同級生のひとりが突然高1の秋以降成績がよくなり東大医学部に現役合格し、みんなびっくりしています。その時彼の親友がこう話します。
「あいつ、高1の夏休みに大けがしたんだよ。その時手術をした先生が名医で命拾いしてさあ。それからかなあ、自分も医者になろうと決意したのは。後のことはみんな知っている通り。」
ここでの「後のことはみんな知っている通り」が The rest is history. です。ある事実についてのきっかけを誰も知らない時に、物知り顔でそれをしゃべって、最後に The rest is history. で締めるわけです。
something that you say when you do not need to finish a story because everyone knows what happened (Cambridge Idioms Dictionary)
セクシー系女優として有名なアンジー・エヴァーハート(Angie Everheart)が一言。
“My mother took my picture to a model agency and the rest is history.”
人気歌手だったポーラ・アブドゥル(Paula Abdul)は2000年以降、アメリカの超人気番組American Idolで審査員に抜擢されて再ブレイクします。American Idolが放映されているのはFOXチャンネルです。それについてのアブドゥルの一言。
“I got a call to come in and meet Fox, and the rest is history.”
なぜrestは定冠詞theがつくのか?
「残り」、「残っているもの」、「残余」という意味のrestは通常、定冠詞がついてthe restになります。「残り」と言えば、「残り全部」を含意するからです(だから、特定可能でtheがつく)。「宿題の残りは明日の朝やろう」と言った時の「残り」はまだ終えていない宿題のすべてを指すから「宿題の残り」はthe rest of my homeworkとなります。one… the othersのtheという表現と同じ要領で理解すればよいです。
「2つのものがあって、そのどちらか一方をまずoneという不定の形で指せば、残ったもう一つの方は「その一方」の決まったものとしてthe otherと定冠詞をつけて表現される。」
「3つ以上あるもののうち、1つをまずoneで指し、残り全部を言うときには、特定の複数だから、the othersとする。」
(『実践ロイヤル英文法』p.402)
the restは単数扱いかそれとも複数扱いか?
ここで注意すべきことは、the restは単数扱いなのか複数扱いなのかという点です。単数扱いのthe otherは残りが複数の時はthe othersになりますが、「残り」をthe restsと表現することはありません。
the restは相当するものが数えられる名詞で1つの時は単数扱いになり、2つ以上の時は複数扱いになります。可算名詞の時は残りが2つ以上のことが多いのでthe restは複数扱いになることが多いです。数えられない名詞の時は単数扱いになります。ちなみに The rest is history のthe restが単数扱いなのは、ここでのthe restが数えられないからです。
Makoto is Japanese and the rest of us are Korean. ←areと複数扱いになっているのでthe rest of usは複数ということがわかります。
The rest of the work is completed by robots. ←「仕事」は数えられないなのでthe restは単数扱い。
アインシュタインの有名な言葉が
I want to know all Gods thoughts; all the rest are just details.
俳優ベン・ヴァーリン(Ben Vareen)
Our creator says, ‘Here’s your birth and here’s your death’ – and the rest are the things you learn on your journey.