先月から複数の東大志望者が受講するようになったので、この機会に東京大学の英語入試問題の傾向を調べることにしました。
課題は三点。
①基礎英語力(ボキャブラリーと英文法力)があれば、合格点をとれるか。
②基礎英語力をつけた上で、さらに高得点を取るために必要なプラスアルファは何か。
③東大英語入試問題で満点(もしくは満点に近い点数)をとれると英語力はどれだけ完璧か。
英語力の要はボキャブラリーに英文法に発音です。ただし、受験英語においては発音がダメでもなんとかなります。ripとlipの違いを聞き取れなくてもリスニング問題で困ることはないし、seeとsheが同じに聞こえてもどうにかなります。発音が悪いとスピーキングだけでなく、リスニングにも支障が生じますが、英語には聞き手の発音が悪くても聞き取れる英語と発音が悪いと聞き取れなくなる英語というのがあり、入試問題の英語は前者に属します。例えば発音が得意でなくてもニュース英語は大体聞き取れるようになりますが、外国人との英会話では相手の言っていることがよく聞き取れないし、テレビのトーク番組やドラマを見ても何を言っているかわかりません。発音が悪いと英語のコミュニケーション力が著しく下がるので英語学習者はしっかり発音を習得してほしいですが、大学受験では発音が悪くてもなんとかなるので、ここでいう基礎英語力は語彙力と英文法の2つに限定します。
英語力のキーはボキャブラリーと英文法です。英単語の意味が分からなければ英文の意味を理解できません。英文法をしっかりマスターしていなければ英文の意味を正確に捉えるはできません。このことは誰でも理解できると思います。ではボキャブラリーと英文法さえしっかりしてさえいれば、東大入試英語問題は解けるようになるのでしょうか。「いやいや、リスニングもしっかりしないと。」「長文読解も必要なんじゃね?」そういったレスポンスが聞こえてきそうですが、入試問題は長文問題やリスニング問題等で構成されているので、「長文読解で高得点をとるためには長文読解力をつける必要がある」というのはただのトートロジーです。「かけっこで一等になるためには足が速くならないといけない」というのと同じ程度に同義反復です。
結論から言うと、語彙力と英文法力は東大英語入試問題で高得点をとるための必要条件ではあるが、十分条件ではありません。要するに、語彙力と英文法力が低い人がこの試験をパスする可能性はないが、この2つができたからといって合格点をとれるかどうかはわかりません。そこで対策としては、ボキャブラリーと英文法の力が不十分な受験者はまずはこの2つを確実にものにし、十分な語彙力と英文法力がついたらその他の英語学習項目に手を出すべき、ということになります。「十分な語彙力と英文法力」はここでは例単講座で習得予定の「超基礎英単語1200語」+「重要語4800語」で6000語レベルの英単語力と、旺文社の『表現のための実践ロイヤル英文法』に出てくる英文法項目を指します。『実践ロイヤル英文法』は受験用英文法書の中ではとくに内容が詳しい参考書なのでもう少しレベルを下げても大丈夫かとは思いますが、例単講座はこの本を使っているのでこれを基準とします。
東京大学の英語入試問題
東京大学の前期試験問題は東研学院予備校のサイトで手に入れることができます。今回チェックしたのは2015年、2016年、2017年、2018年の東大前期英語問題です。模範解答は以下のサイトを利用しました。
2015年
名古屋英語特訓道場 http://nagoya-eigotokkun.com/todai2015/
河合塾 http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/15/t01.html
Z会 https://www.zkai.co.jp/high/saigen/contents/base.aspx?cd=15te_d
2016年
河合塾 http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/16/t01.html
名古屋英語特訓道場 http://nagoya-eigotokkun.com/todai2016/
Z会 https://www.zkai.co.jp/high/saigen/contents/index_16t_zkai.html
2017年
河合塾 http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/17/t01.html
名古屋英語特訓道場 http://nagoya-eigotokkun.com/todai2017/
2018年
河合塾 http://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/18/t01.html
名古屋英語特訓道場 http://nagoya-eigotokkun.com/todai2018/
全体的な感想
英文の量が多いので、日本語に訳することなく英文を読み、聞く能力が必要とされます。リーディング・リスニングともに英語のレベルはとくに高くはありません。6000ワード程度のボキャブラリー力と基礎英文法力があれば問題を解く分には問題はありません。「英語のレベルがとくに高くない」というのはつまり、東大英語入試で高得点を取れたからといって、その人が英語を難なく使えるかどうかはわからないということです。例えば、東大英語入試問題を9割以上正解できる受験生も以下の英文をよく理解できないでしょう。ボキャブラリーレベルがまったく違うからです。以下の英文はThe Economist(世界で最も権威のある週刊誌)の最新号に出ていたHow to Dope a Horseという記事(途中まで)です。
タイトルから馬へのドーピングに関する記事というのは推測できるでしょうが、大学受験レベルのボキャブラリー力ではこういった週刊誌の記事を読みこなすことができません。逆に言うと、大学受験では1万語レベル以上の英単語を覚えても試験には出ないので、「原書、TIMEなどの週刊誌、The New York Timesなどの新聞」を読むといった学習法は受験対策としては勧められません。6000語レベルというのも受験英語特有のボキャブラリーレベルであって、ネイティブの子どもにとっての6000語レベルとは全く異なります。99%のネイティブ子供が知っている英単語の多くが日本の受験6000語から外れています。例えば、「おしっこをする」、「うんちをする」を英語で言えなくても東大英語入試では何も困りません。癌の名前も「肺がん」(lung cancer)や「乳がん」(breast cancer)や「胃がん」(stomach cancer)くらいは受験生も知っているかもしれませんが、「食道がん」、「大腸がん」、「すい臓がん」、「前立腺がん」、「子宮頸がん」を英語でいえる受験生は少ないでしょう。英字新聞を読むとreiterateという動詞がよく出てきますが、これも受験英語では出てこない単語です。「Aは1、Bは2、Cは3である」は英語では A, B, and C are 1, 2, and 3, respectively と表現することができます。このrespectivelyという副詞は非常に便利で学術論文では定番の表現法なのですが、なぜか日本の受験英作文ではこの表現を習いません。ここで何を言いたいかというと、受験英語とネイティブ英語の間にはずれがあるので、受験英語対策で受験用以外の英語を利用するのは慎重であるべきということです。言い換えると、大学受験生は「本当の英語力をつける」ことを求めてはいけないということです。「本当の英語力」と「受験英語力」には「ずれ」があります。英語学習者はネイティブ英語がどのようなものかまだ知らないので、「ずれ」がどのようなもので、かつどの程度のものなのかわかりようがありません。だったら大学入試を終えるまでは受験英語のエキスパートになることに専念しましょう。幸いなことに、2つのずれはそれほど大きくありません。受験英語で得た英語力が将来役に立たないことはありません。だったら受験生は当面は受験英語にフォーカスするのが得策です。
大学入試ではボキャブラリーレベルの高い英文を読み解く力をチェックする問題が出ません。不自然な倒置や省略のある英文法的に非常にわかりにくい英文は問題に出るのに、なぜか語彙レベルは常に抑えられています。ネイティブ的に言うとこれはちょっと不自然なことです。アメリカの大学では英語ライティングのクラスで必ず、できるだけわかりやすい文章を書く訓練をしますが、ボキャブラリーに関しては2万語レベル以上の英単語を使っても何も咎められません。英語というのは基本、文法は簡単でボキャブラリーが難しい言語なのです。受験英語ではそれを逆に行きます。ボキャブラリーは易しく、英文法はネイティブでも間違えるような複雑な(もしくは変な)問題を出してきます。
リスニングについて言えば、東大入試リスニング問題で満点をとれても(非常に難しいです)ネイティブの輪の中に入ってみんなの英語を聞き取れる保証はまったくありません。入試に出るリスニング問題は発音が悪い人でも解ける問題です。逆に発音が悪い人はネイティブだったら5歳の子でも楽しめる番組の英語を聞き取れません。そんなわけないよと思う人はクレヨンしんちゃんの英語を見てどれだけ聞き取れるか試してください。
なんで聞き取れないか悩むのは入試が終わってからにしてください。本当の英語力をつけるのは大学に入ってからです。
以下、2015年から2018年に東大入試で出てきた英語問題を見てみます。英単語レベルのチェックポイントは、(A)意味が分からないと問題が解けない英単語、(B)文意を理解するためにはマスターしておくべき英単語、(C)『例単』にも収録されていない上級レベル英単語、です。
英文要旨問題
2015年から2018年の英語入試問題の第一問ではいずれも350ワード前後の英文を日本語に要約することが求められます。2016年度では100~120字でしたが、他の年では70~80字の日本語にまとめないといけません。「英語ワード数」と「日本語字数」は大体1対2程度になりますから英文350ワードを和文80字にまとめるという作業は1/8~1/10程度の要約ということになります。新書本のテーマにもなりそうな人間の非合理的な危険認識(2015年)、人間集団の内と外の行動パターンの違い(2016年)、国際化によるビジネス文化の国家間の差異の低下(2017年)、噂の広がり方(2018年)が取り上げられ、心理学・社会学・経済学の基本的知識がある受験者に有利な問題です。英文は標準レベルで、英単語・英文法共に『例単』レベルで十分に解ける問題です。(A)レベルの英単語はimpulse, instinct, instinctive, perception, objectively, evolution (2015年)、in-group versus out-group (2016年)、rumor, process, popular confirmation (2018年)などがあります。特にinstinct (本能)の意味を知らないとジ・エンドです。4年分の入試問題で一番出てきたキーワードがinstinctでした。次に(B)レベルの英単語です。以下の英単語の意味が分からない程度に語彙力の低い人はまずはボキャブラリー強化に励んでください。いずれも英文要旨問題に出てきた英単語です。
名詞: emerging field, warring tribes, adaptation, a radiation reactor, apparatus, experiment, cage, a grocery store, notion, evolution, cooperation, self-government, concept, genetic ties, distinction between A and B, brotherhood, equal status, relatedness, boundary, bond, psychological bias, childhood development, race, ethnicity, coherence, biological species, hostility, conflict, attitude, hierarchy, status, competition, migration, occupation, national characteristics, crowd, extreme vision, evil intention, remedy
動詞: gauge, serve important functions, be measured by, strike the plate glass, conquer the fear, pray, evolve, define, attribute A to B, generate, enhance, organize, dominate, adapt to, correlate with, predict, refer to, be inclined to, be committed to, get in the way of, present A with B
形容詞: conflicting advice, essential quality, mental attitude, widely held view, aggressive, efficient, individual, traditional, shared, familiar, tentative, neutral, uneven,
副詞: roughly, causally, in general, routinely, more or less, inappropriately,
要旨問題に登場した以下の英単語は『例単』に収録されてません。
2015: homo economics, hard data, supremely, gut, amygdala, milliseconds, spear, iron grip, get flattened by
2016: なし
2017: interchangeable, no-nonsense, socioeconomic status, predictor, walks of life, cultural stereotyping
2018: overlap, like-minded group, in all likelihood
これらの単語の意味がわからなくても和文要旨を作成するうえでは特に問題は生じません。また英文法・語法もとくに難しくなく、英文要旨問題に出てくる英文は非常に標準的と言えます。例えば2015年度の問題には分詞構文、関係代名詞、現在完了、受動態、第4文型、関係副詞、使役動詞、直接話法、第5文型などの文法項目が登場しますが、わかりにくいものは一つもありませんでした。ひとつ注意すべきことは2018年度問題の最初の単語がrumoursであり、イギリス式の英文が登場していることです。受験参考書は基本、米語(イギリスではなくアメリカで使われる英語)ですが、東大入試にはイギリス英語の英文が使われることもあるようです。英文要旨問題対策ですが、ボキャブラリーと英文法をしっかりマスターした上で、英文要旨問題を解き、それをちゃんと英語力と日本語ライティング力のある人に添削してもらう、というのが一番かと思います。模範解答と照らし合わせて自分が書いた和文を直すというやり方もありますが、模範解答は多数ありうるはずなのに、1つの模範解答に合わせようとすると自分のライティングスタイルが壊れる可能性があります。Aという模範解答では60点しかとらない和文要旨も、Bという模範解答では90点の出来栄えかもしれません。そういう時に無理やりAという模範解答に合わせようとすると、逆に点数が下がりません。「模範解答」がある問題は、一人でするのではなく誰かに添削してもらう、というのが英語学習の鉄則です。
英作文問題
問2に必ず出てくるのが英作文の問題です。多くの東大受験生にとって一番難関な英語問題は英作文問題でしょう。ピクチャーを見せられて自由英作文を書かされる形式は、和文英訳問題よりもかなりハードルが高いです。ネイティブでさえもすらすら解答できる問題ではありません。2015年の問題は以下の絵を見て、下の絵の人(男性・女性のどちらかもわかりません)が直面した状況を説明して、自分が感じたことを書けという問題です。
2016年の問題はさらにハードルが高いです。以下の絵を見て思うことを書けという問題です。
東大英作文の問題は同一人物が作成したのでしょうか。「鏡」、「反射」、「錯覚」といったキーワードから英文を書くのはネイティブも大変そうです。ネイティブも答えるのが難しい問題というのは要するに、これらの英作文問題は単に英語力を測るのではなく、知的能力・教養があるかどうかも問われているということです。しかし、個人的にはちょっと奇をてらいすぎていると思います。それは2015年度問題の河合塾の模範解答にもあらわれています。鏡の人について模範解答(1)ではThe woman in the mirror is poking its tongue at her and appears to be mocking her、模範解答(2)ではHis reflection is making a silly faceという英文が示されています。しかしpoke one’s tongue atやmake a silly faceという表現を知っている大学受験生はほとんどいないでしょう。受験生が知らないであろう英単語を英文で使ったら模範解答になりません。mockという表現を使って英作文ができるかどうかも微妙なところです(『例単』ではmockの例文も収録されています)。この鏡を見た問題も状況の描写に関しては何とか書けても、自分がどう思うか英語で説明するのはかなり難しいです。
2016年の問題はさらにわけがわからないです。なぜ写真のネコは人の指でつかめそうなのでしょうか。河合塾の模範解答はよく書けていると思います。ただし、東大受験者の多くはfool A into …ing (Aをだまして~させる)とindex finger(人差し指)いう表現を知らないでしょう。
河合塾模範解答
This is all about perspective. The person taking the picture is holding the camera far away from the cat while his hand is very close. By doing this he is able to make the cat look small while his hand seems big. I think he is trying to fool people into thinking that he has a cat that is so small it would fit between his thumb and index finger. I like to take these kinds of pictures for fun. (80語)
Z会の解答は夢見る少女が書いたような空想豊かな内容で、一見「こんなんで点数取れるの?」という解答ですが、英文がしっかりしていれば合格点はとれるのでしょう。わたしには、「この写真は”科学と倫理”というタイトルの論文の一部分である」という最初のくだりでマイナス点をつけるでしょうが(なんで勝手に決めつけることができるの?)。
Z回の模範解答
This picture is a part of an article titled “Science and Ethics.” The article appears in a magazine. The author claims, “Scientific development is surely great, but if we, humans, were arrogant and thought we could have complete control over nature and artificially create new life, it would cause new ethical problems.” The picture, of course, was taken using perspective, but it is a symbol of the result our uncritical acceptance of scientific development might bring.(76 語)
2017年に出た問題はオーソドックスな内容と言えます。「あなたがいま試験を受けているキャンパスに関して、気づいたことを一つ選び、それについて60~80語の英語で説明しなさい。」という問いです。キャンパスが広い、建物が古い、キャンパス内が静か、犬や猫を見かけた…いろんな特徴に注目することができます。ただしあまりにも答えやすい問題というの逆に悪問なのかもしれません。私であれば、行ったことのあるほかの大学のキャンパスとの違いに焦点を当てたいです。
英作文問題は毎年2題出題されます。他の問題もざっと見てみましょう。
2015: ”Look before you leap”と”He who hesitates is lost”という、内容の相反することわざがある。どのように相反するか説明したうえで、あなたにとってどちらがよい助言と思われるか、理由とともに答えよ。全体で60~80語の英語で答えること。
あまり難しくない問題です。「どのように相反するか説明」するのは一見難しそうですが、行動を起こす前に一歩立ち止まってそれが最善かどうか考えて見ろという考えと、考えすぎて行動が遅くなるとチャンスを失うという考えのちがいをうまく説明できれば簡単に答えられる問題です。
2016: 次の文章を読んで、そこから導かれる結論を第三段落としか書きなさい。全体で50~70語の英語で答えること。
In order to study animal intelligence, scientists offered animals a long stick to get food outside their research. It was discovered that primates such as chimpanzees used the stick, but elephants didn’t. An elephant can hold a stick with its trunk, but doesn’t use it to get food. Thus it was concluded that elephants are not as smart as chimpanzees.
However, Kandula, a young elephant in the National Zoo in Washington, has recently challenged that belief. The elephant was given not just sticks but a big square box and some other objects, while some fruit was placed just out of reach above him. He ignored the sticks but, after a while, began kicking the box with his foot, until it was right underneath the fruit. Hen then stood on the box with his front legs, which enabled him to reach the food with his trunk.
Z会の模範解答が非常にクオリティが高いです。受験生レベルのボキャブラリーでうまく解答しています。get A out of reachというイディオムを知らない人は、出題問題のget A outside their reachという表現をそのまま用いましょう。
Z会の模範解答
The example of Kandula shows that if elephants are given an appropriate tool to get food out of reach, they are smart enough to use it. Unlike chimpanzees, elephants use their trunks to grab things. As they use different parts of their body to reach food, a useful tool for chimpanzees and that for elephants might be different. Scientists should have taken this difference into consideration. (66語)
2017: 以下は手紙とそれに対する返事である。返事の空所に入る文章を、あなたがJunだと仮定して60~80語の英語で書きなさい。
Dear Jun,
You will not remember me. I am your grandfather and I left the country when you were only three years old. But ─ though I have only a few weeks to live ─ I have made a success of my life, and you will inherit all my vast wealth if you convince me that you will use it well. Tell me what you would use my money for, and why. I am looking forward to your reply.
Your grandfather,
Marley
これも比較的簡単な問題です。最初に Thank you for your letter. とでも書いた後に、現時点ではお金がないので目指すことのできない夢が、お金があることで果たせることを説明すればよいです。
英作文対策ですが、和文英訳や自由英作文のコツをつかむために英作文の問題を解く訓練をする必要性はありますが、ボキャブラリーが不足していればいくら英作文対策しても英文を書きようがありません。1時間かけて英作文の問題を3題解くよりも、1時間かけて重要構文と英単語・熟語を含めた10の例文をしっかり覚える方が、受験対策としては効率的です。キムタツ先生が『ユメサク』で「和文和訳」なる言葉を流行させようとしていますが、過去4年の東大入試で和文英訳問題が出たのは一度だけです。「和文和訳」なんて新たな受験産業のお金儲けのネタでしかないので、そんなものに時間を使わないようにしてください。
東大の英作文問題は特異なのが多く、対策しづらいし、対策しても次にどのような奇想天外な問題が出るか予想できないので英作文対策に時間をかけ過ぎないように気をつけてください。私は猫をつかむ写真の問題はかなりの悪問だと思っています。英作文問題では徹底的にコミュニケーション能力を測るべきです。例えば、「ネットでDVDをアメリカから個人輸入したが、DVDに傷がついていて再生できなかった。事情を説明して返金を求めるメールを100ワード以内で書け。」とか、「本大学に入学したあなたは2年後に交換留学を希望することになる。面接で外国人面接官にあなたは2年間何を学んだか尋ねられます。その返答を100ワード前後の英文で書き記せ。」といった問いの方が、受験生のコミュニケーション能力をしっかりチェックできるでしょう。英作文問題は対策しづらいですが、一番の対策は英作文対策に無駄に時間をかけ過ぎないことです。英作文の問題集を購入し、載っている日本語の文章を英訳してみて模範解答と見比べて自分で添削するという旧来の英作文対策はまったく時間の無駄なので、そういうことをしないでください。東大入試で出る英作文は和文英訳ではなくて自由英作文です。自由英作文では翻訳の技能は必要とされません。問題を解いて書いた英作文は必ず英語ができる人に校正してもらってください。「英語ができる人」というのが実は曲者で、多くの高校英語教師や塾講師は英文をろくに書いたことのない英語ライティング素人です。私からすれば、英語受験指導の神様とされる故・伊藤和夫氏もライティングに関しては素人レベルです。
下手な英語ライターに添削してもらうくらいだったら、ボキャブラリー力を高め。英文法・語法をしっかりマスターする方がよほど確実な英作文対策と言えます。そのためにはできるだけ数多くの英語例文を覚えていきましょう。
リスニング問題
毎年、三問目がリスニング問題です。語彙レベルは特に高くなく、英語も聞き取りやすいのですが、誰が何を話し、何を話していないかを正確に記憶しないと正しく答えることができず、高い短期記憶力を要する問題ばかりです。その意味で東大英語リスニングは英語力だけでなく、日常生活で「この人頭いいな」と思わせるような知的能力も測っている問題です。
2015年は望遠鏡(天文学)、2016年はピカソ(美術)、2017年はスーパーコンピューター対チェス&囲碁、2018年は人の協力行動に関する問題です(「蚊」の問題など他にも問題はありますが、ここではこの4つに焦点を当てます)。天文学と美術と囲碁の素養がある人の方が多少は有利な問題です。2018年のは非常にセンスのある問題で、利他主義(altruism)の源泉について話をしています。
この単語の意味を知らないとリスニング問題に答えられなくなる超キーワードはtelescope, atmosphere, positive outcome, space (2015); a quarter of, diminish, bit, mosquito (2016); generosity, instinct, wave (2018)などです。意味を知らないと聞き取りをしている最中に文脈がわからなくなってしまいそうなキーワードは以下の通りです。
2015年問題
magnify, desert, reflective plate, capture images, distant stars, advantage, moisture, atmospheric distortion, career, dust, underground, expense, prestige, planet, human consciousness, revolution, intimacy, crowd, board a train, be interrupted by, fragmented consciousness, orbit, show off
2016年問題
financial challenge, identical copy, comparison, a dim scene, afford to buy, countless, economist, intellectual property, private storage, criminal, treasure, rates of interest, fake, protein, research, gene, locate, breath, detect, naturally, skin, account for, genetic variation, modify, identify, chemical, keep A away from B
2017年問題
superior to, come up with, excuse, oversee, instinct, calculation, opponent, defeat, executive, follow a rule, ambition, opposite, superficial, get overwhelmed by, branch, caring, medicine, treatment, take over the world, follow an instruction, before long, stairway, attachment, restless, fed, look up to, abandoned, trousers, seize, quiet my despair, plainly
2018年問題
pregnancy, cattle, obligation, advantage, accidental, preserve, generous, selfish, instinct, mutual obligation, nutrition, pay back, accidentally, life expectancy, evolutionary point of view, epidemic, eventually, appreciate, material needs, instinct, generosity, redistribute, reputation, donation, self-reliance, generalization, be applied to, describe, provide for oneself, laziness, dependence, prosper, invisible, cheat, hand out money, safety net, starve to death, competing philosophies, predictable, withstand, ensure, structure, out of nowhere, dismiss, fairy tale, exaggeration, outright fantasy, standard theory, phenomenon, organize, terrifying wave, unpredictable, devastating impact
以下の単語の意味は『例単』に収録されていませんが、意味が分からなくても問いを正しく答えることはできます。
2015年問題
in the middle of nowhere, level off the top, observatory, visibility, faraway, punctuation, be cast aside, correspond in fragments, silky attractions
2016年問題
a realistic style, thought-provoking, a burst of, moderator, appetize, emit, 「植民地」ではなく微生物学でのcolony
2017年問題
map out possibilities, sooth, unconventional, primary school, hedge, sneak into, wardrobe, outfit, solid about her
2018年問題
epidemic, umbilical cord, herding, keep track of, evolutionary relative, 動詞のchair
英文法はnot least because (2015)やregardless of (2016)などのイディオムをちゃんと聞き取ってすぐ理解できるようにならないといけません。美術の教養はあった方が2016年度の問題は解きやすかったでしょう。ウジェーヌ・ドラクロワ(EUgene Delacroix)の代表作が「アルジェの女たち」(Women in Algiers in their Apartment)ということを知っていた方が問題は解きやすいです。アンリ・マティスはHenri Matisseと表記することを私は知りませんでした。
東大のリスニング問題は短期記憶力を要する問題なのである程度のテクニックが必要とされますが、暗記能力には個人差があるので誰にでも役に立つテクニックはないかと思います。実際に問題を解いてみて、自分の弱点を見出してください。私だと数字は記録しないとすぐ忘れますが、東大受験者であればいくつもの数字をそのまま短期記憶できる人もいるでしょう。前もって問題文を読むほうが正解率が高くなる人もいれば、逆に頭がごちゃごちゃになる人もいるはずです。リスニングの教材は市販されている大学受験用のリスニング問題集を使って問題ありません。忘れてはいけないのは、大学受験のリスニング問題は必ずしもリスニング能力を測っている問題ではないということです。だから、アメリカの映画やドラマを見てリスニング力をつけようとしないでください。英語ニュースは聞いてもかまいませんが、受験対策としては微妙に効率が悪いような感はします。ニュースというのは固有名詞がよく出てくるのでリスニング能力が低くても比較的楽に英語を聞き取れます。TOEICや英検のリスニング問題を解くのは悪くないと思います。ネットを使ってリスニング対策するのであれば、一番のお勧めはBBC放送の6 Minute Englishです。毎週木曜日に更新されます。ボキャブラリーレベルも高すぎなく、会話のスピードも外国人向けなのでそんなに早くありません。重要語の意味も英語で説明されているのでボキャブラリー力向上にも役に立ちます。東大受験者は一度試してください。
その他の問題
東大英語入試問題で必ず出てくるのが英文要旨、英作文、リスニングに関する問題です。だからこの三つは必ず対策をして十分な準備をする必要があります。その他の問題は毎年傾向が変わるので、「ボキャブラリー」と「英文法」という基礎英語力をつけた後に、どれだけ対策をしておくべきかという問題に直面します。ということで他の問題も見てみます。
2015年
1(B): 英文に空所が5つあり、その空所に入る英文を当てる問題。読解力が低い人は満点をとることをできないでしょう。指示語に注意するといった対策法はありますが、一度自分で解いてみて満点だったら、特別の対策をとる必要性はないかと思います。fatigueとexhaustとexhaustedとexhaustingの意味を覚えていなかったらジ・エンドです。問題に出てくる
名詞: self-control, easy prey, nutrition, awareness, willpower
動詞: confirm, contemplate, weight a choice, trap A in B
形容詞: rational, demanding, financially, suburban
の意味が分からない程度に語彙力が低い人はまずはボキャブラリー力の向上を目指してください。英文法はlest it be…という表現が出ています。意味はちゃんと分かりますよね。
4(A): 3つの整序問題と6つの解答。整序問題とは並び替え問題のことです。指定された単語を正しく並べて一つの文章にします。
特に難しい問題ではないので本文は読み直さずに解答できます。両方正解でないと正しく単語を並び替えたことにならないはずなのに、片方だけあたっても点数をもらえるのは不思議なところです。英文法力がしっかりしていれば解ける問題ばかりなのでわざわざ整序問題集を購入する必要はありません。整序問題というのは問題を作りやすいという理由だけで存在しているようなものであり、こんなのをやっていても英語力はつかないのでできるだけ関わらないようにしましょう。整序問題では簡単に答えられないように文法的に理解しにくい英文が問題に使われますが、簡単に単語を並び替えて正しい英文にできない英文というのは悪文なわけです。だから日本の大学入試ではネイティブでも間違う整序問題が出てきます。ネイティブでも間違う問題を解く能力を養うことが日本人の英語力向上に役立つかははなはだ疑問です。
4(B): 和訳問題です。英文の中にある以下の三つの英文を和訳することが求められています。
(ア)He could almost taste the harsh brown soap the teachers had forced him to use to wash his mouth out when he was caught speaking Navajo.
(イ)At no time under any circumstances were they to leave the building without permission or alone.
(ウ)Now this government that had punished them in the past for speaking their own language was asking them to use it to help win the war.
全体的に良い問題とは言えません。特に(ア)は悪問です。私もうまく訳せませんでしたが、予備校が出す模範解答も総崩れでどれも日本語として意味を成していません。
自分がナバホ語を話しているところを見つかると先生に口の中を洗うのに使わされた、不快な茶色い石鹸の味がしてきそうだった。 ─河合塾
ナバホ語を話しているのが見つかった時、先生たちに口をすすぐようにと無理やり使わされた、不快な茶色い石けんの味を彼はありありと思い出すことができた。─ Z会
彼はナホバ語を話しているのを見つかった際、教師に不快な茶色い石鹸で口を洗わされたが、その味が口の中に残っているかのように感じることがあった。 ─名古屋英語特訓道場
(イ)は「倒置」の英文をどう日本語に訳すかという英文解釈の参考書には定番のトピックが扱われています。Z会の模範解答がとくに模範的かと思います。
彼らは、いついかなる場合であっても、許可なしで、もしくは単独では建物から出てはいけなかった。 ─Z会
(ウ)の翻訳はとくに難しくありません。これらの問題を解くために一番必要なことは①ボキャブラリー力、と②英文法力であり、時間の余裕があれば英文解釈の参考書を読んでもかまいませんが、時間の余裕がなければとくに英文和訳の対策をとる必要はないかと思います。
5: 940ワードの長文問題です。和訳問題が2つ、空所に適切な単語を入れる問題が4つ、その他文意を正確に把握しているか問う問題が3つあります。
2016年
1(B): 英文に空所が5つあり、その空所に入る英文を当てる問題。読解力が低い人は満点をとることをできないでしょう。指示語に注意するといった対策法はありますが、一度自分で解いてみて満点だったら、特別の対策をとる必要性はないかと思います。問題に出てくるfalsifyとregimesの意味を知っていると問題を解きやすくなりますが、大学受験レベルではこれらの単語の意味を知らなくても致し方ありません。undermine, bully, expose oneself to, revolve around, overcome fierce resistanceは知っていて当然のボキャブラリーです。これらの単語の意味が分からない人はまずはボキャブラリー力向上を目指してください。
4(A): 4段落ある文章の各段落で下線が5つ引かれており、そのうちの1つの英文が間違いという問題です。英文法の基礎をしっかりマスターしていればすべて答えられる問題です。段落(21)での間違いは[c] put use to itということになっています。put it to useが正しい英語なのでしょうが、[b] central activities of a civilizationのcivilizationは数えられない名詞なので、不可算名詞にaをつけているこの文も間違いなのではないでしょうか。英単語レベルは、これがわからないと問題が解けない英単語はgrant。application, capital, unevenly, messyは知っていて当然の英単語です。reproduce oneself, social being, unrestrictedは『例単』に載っていない英単語ですが、知らなくても大体の意味は推測できます。
4(B): 以下の三つの文章の和訳問題です。
(ア)In Kabul, visiting television crews invariably asked to be taken to the worst-hit parts of the city.
(イ)Even a so-called war zone is not necessarily a dangerous place: seldom is a war as comprehensive as the majority of reports suggest.
(ウ)Even in peacetime Afghanistan had been open to outsiders for only a brief interval, a forgotten period from the 1960s until the 1970s.
英文全体を読まなくても、下線部だけ読んで和訳できる問題です。これを文章題にする理由がわかりません。「名古屋英語特訓道場」の模範訳は以下の通りです。
(ア) カブールでは、当地を訪れているテレビ取材班は、その都市で最も攻撃を受けた地区に連れていくよう決まって求めた。
(イ) いわゆる交戦地帯は必ずしも危険な場所とは限らない。大半の報道が示唆するほど、ある戦争が広範囲に及ぶことはめったにない。
(ウ) 平和な時代でさえ、アフガニスタンは、短い期間、つまり、1960年代から1970年代までの忘れられた期間のみ、外部の人に開かれていた。
(ア)はinvariablyがキーワード。(イ)は部分否定とコロンの用法と倒置と原級比較を理解していないと答えられない問題。(ウ)は同格がわからないといけません。下線部以外の英文にはovershadow, notoriously, absorb, comprehensive, landscapeなどの重要語が出てきますが、万が一これらの単語の意味がわからなくても問題は解けます。
5: 長文問題です。下線部の内容を問う問題と空所に適切な語を入れる問題で構成されています。これがわからないと問題が解けそうもない英単語はdepriving。長文に出てくる以下の英単語の意味が分からない人はまずはボキャブラリー力向上を目指してください。
名詞: petition, divorce, mental breakdown, thoughtlessness, generosity
動詞: grasp, bother, penetrate, distinguish A from B
形容詞: persistent, unmoved, discouraging, weary
副詞: aggressively
英文に出てきた「例単」にも出てこない難易語は
“anti-homeless” spikes, residential complex, metal stuck in concrete, sleep-in protest, in the pace of a year, a giant needle stitching London’s center into place, a smallish park, prime property, a metal perch, three solid armrests, …was covered with sores, a blackened, badly injured toe, doorway, apartheid, the concrete, spiked expression of…, breed hardness
などです。大学受験生がこれらの英単語を覚える必要はないかと思います。
2017年
1(B): 英文に空所が5つあり、その空所に入る英文を当てる問題。読解力が低い人は満点をとることをできないでしょう。指示語に注意するといった対策法はありますが、一度自分で解いてみて満点だったら、特別の対策をとる必要性はないかと思います。英文に出てくるcrossing, spare, contemptuous, mixture, pedestrian, sped, collaborator, considerate, cheat, dip, reproduce, lab, proportionally, generous, nasty, yield, invisible, aggressive, account, captureは当然、覚えておいてないといけない英単語です。本問のボキャブラリーレベルは特に高くありません。
4(A): 5段落ある文章の各段落で下線が5つ引かれており、そのうちの1つの英文が間違いという問題です。英文法の基礎をしっかりマスターしていればすべて答えられる問題ですが、2016年4(A)の問題よりもは難しい感じです。この問題に出てくる覚えておいておきたい英単語はdocumentary, awkwardly, stabilize, durable, exotic lands, manipulate, assume roles, notion, crucial, add upなど。ボキャブラリーレベルは高くないです。subject matterの意味を知っている受験生はほとんどいないと思います。「研究などの主題」をsubject matterと言います。
4(B): 以下の三つの文章の和訳問題です。itとthisが何を意味するか明らかにしろという指定があります。
(ア)Loneliness is emotionally and even physically painful, born from a lack of warmth in early childhood, when we need it most.
(イ)I wouldn’t have known this but for the fact that I happened to look outside on my way to get a coffee.
(ウ)We deny ourselves the benefits of solitude because we see the time it requires as a resource to use more profitably.
itはwarmth、thisは前文にあるa magnificent snowy landscapeです。どちらも簡単に推測できます。3つとも割と簡単に和訳できる問題です。語彙力と英文法をしっかりマスターしていれば、翻訳のトレーニングをしていなくても英文和訳できます。solitude, on one’s way to, resource, profitablyの意味が分からないと満点をとれないので、これら4つのうち一つでも意味が分からない人はしっかりボキャブラリー強化を図ってください。lonelinessとsolitudeの違いについては以前記事を書いたことがあるので、興味がある方は読んでおいてください。
5: 930ワードの長文問題です。空所に適切な単語を入れる問題が6問、下線部の具体的内容を問う問題が2問、文意を正確に把握しているか問う問題が1問あります。 shrugの意味が分からないと解けない問題があります。文章に出てくるmanage to, figure out, let alone, expel, give in, refer to, 「養子にする」という意味のadopt, authority, pregnant, all of a sudden, innocent generosity, a spare roomもしっかりおさえておきたいボキャブラリーです。この問題の文章には出てくるけど『例単』には収録されていない単語はinexact, adult-in-charge, flat, roll up in a corner, a psychiatric unit, a detached house, come to terms with, unprecedented, detached passivityなどがあります。
2018年
1(B): 英文に空所が5つあり、その空所に入る英文を当てる問題。15~20ワードの英文で内容の一部を要約する問題もあり。読解力が低い人は満点をとることをできないでしょう。指示語に注意するといった対策法はありますが、一度自分で解いてみて満点だったら、特別の対策をとる必要性はないかと思います。
4(A): 4つの整序問題と8つの解答。整序問題とは並び替え問題のことです。指定された単語を正しく並べて一つの文章にします。英文に出てくるroot, detective story, rational, genre, unnaturally, triumph, revolve aroundの意味はもちろんわかりますよね。いずれも重要語なので1つでもわからない単語があればボキャブラリー力をしっかりつけてください。
4(B): 英文和訳の問題です。
(ア)That’s roughly 30 to 60 live birds per person.
(イ)This, to my mind, makes it all the more surprising that many of us have found it hard to swallow the idea that birds may be bright in ways we can’t imagine.
(ウ)Even when their mental powers don’t quite match or mirror our own complex thinking, they often contain the seeds of it ─ insight, for instance, which has been defined as the sudden emergence of a complete solution without trial-and-error learning.
英文全体を読まなくても下線部だけ読めば和訳できる問題ばかりです。だったらなぜ文章題の形にしたのでしょうか? roughly, swallow the idea, bright, match, mirror, insight, emergence, trial-and-error learningの意味が分からないとうまく和訳できません。英文法も特に難しくないのでかなり楽な問題と言えます。ボキャブラリーと英文法がしっかりしていれば、翻訳や英文解釈の勉強をしていなくても解ける問題です。
5: 877ワードの長文問題です。短い英文和訳問題が一つ。空所に適切な語を選択する問題が6つ。下線部の後に続く文章を選択する問題が一つ。下線部の内容説明の問題が一つ。整序問題が一つ。以下の英単語の意味を知らないと問題が解けません。
stairs, embarrassment, intently, deaf, interpretation, gaze, lament, grip A tightly, slap, nod, unconscious level.
どれもとくに難しい単語はありませんね。文章に出てくるwalk past, spell out, church choirの意味はわからないかもしれませんが、わからなくても問題は難なく解けます。