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天気はweather、気候はclimate。では気象と天候は何?

weatherとclimateの違いは期間の違いです。weatherは今この時点から一週間くらいまでの短期の気象状態を表します。climateは比較的長期間の統計データとして現れる気象状態を表します。日本語の「天気」はweather、「気候」はclimateと訳されます。「気候」と「気象」もweatherと訳することが多いです。

目次

weatherとclimateの違いはなに?

weatherは「天気」、climateは「気候」。学校の英語の授業で皆、このように習いますが、weatherとclimateの違いを正しく理解できている英語学習者はどれだけいるでしょうか?

weatherとclimateの違いは期間の違いです。weatherある特定の場所の短期の気象状態を表します。日本語の「天気」も同じように短期の気象状態を意味するのでこの訳が当てられます。「短期」とは今この時点から一週間くらいまでの間です。How cold is it right now? (ちょうど今はどれだけ寒いの?)だと現時点のweather、What will it be like today? (今日の天気はどんな感じ?)だと一日のweather、How much snow will we get this week? (今週はどのくらい雪が降るの?)だと一週間のweatherを意味します。climateある地域における比較的長期間の統計データとして現れる気象状態を表します。平均値としてのclimateは徐々にしか変化しません。

While weather can change dramatically in a single location from day to day (for example, cold and rainy one day, followed by hot, dry conditions the next day), climate generally changes less quickly because it represents the average of weather conditions over a longer period of time.
weatherは同じ場所でも日によって大きく変化することがありますが(例えば、ある日は寒くて雨が降り、翌日は暑くて乾燥した状態になる)、climateはより長い期間の気象条件の平均を表すため、一般的には変化のスピードはそれほど速くありません。

https://www.americangeosciences.org/critical-issues/faq/difference-between-weather-and-climate

climateで示される気候的な特徴は30年間のデータを集めて推測されます。climate change (気候変動)も過去30年間のデータと比較しての変化です。

このようにweatherとclimateの違いは期間です。日々変わる天気はweatherですが、長期ではあまり変わらない天候の特徴を言う場合はclimateです。

“What’s the weather in Osaka?” “It’s raining today.”
「大阪の天気はどうですか?」「今日は雨です。」

Much of California has a Mediterranean-like climate with warm, dry summers and mild, wet winters. 
カリフォルニア州の大部分は地中海性気候で、夏は暖かく乾燥し、冬は穏やかで雨が多い。

「天気」はweather

「天気」とは何か?

ある場所の、ある時刻の気象状態を天気といいます。気象庁のホームページでは、天気は「気温、湿度、風、雲量、視程、雨、雪、雷などの気象に関係する要素を総合した大気の状態」と定義されています。天気には快晴、晴れ、薄曇り、曇り、煙霧、砂じん嵐、地ふぶき、霧、霧雨、雨、みぞれ、雪、あられ、ひょう、雷の15種類があり、「総合した大気の状態」は気温、湿度、降水、風向き、風速、気圧などで評価されます。また、「天気」には「晴天」の意味もあり、「天気が続く」、「明日は天気になるだろう」という場合の天気は晴れを意味します。

天気は数時間から数日間の短い気象状態を指します。tenki.jpだと一時間ごとの天気予報がわかります。「週間天気予報」という言葉もありますが、これは一週間ごとの予報ではなく、毎日の予報が一週間後まで出るという意味なのでおかしくありません。

「天気予報をお送りします。」

weatherの用法

「天気」はweatherと訳されます。weatherの語法には注意が必要です。以下の3点を必ず覚えてください。

weatherの用法
①単独だと定冠詞theがつく
The weather seems to be getting worse.
天候が悪化しているようです。
A weather seems to be getting worse.
②形容詞がつくと定冠詞theがつかない
We had bad weather on our vacation.
休暇中は悪天候だった。
We had the bad weather on our vacation.
③形容詞がついても不定冠詞aがつかない
What terrible weather we are having today.
今日の天気は最悪だ。
What a terrible weather we are having today.

どの不可算名詞も単独ではaがつきませんが、不可算名詞には前に形容詞がつくと可算化されるものと形容詞がついても可算化されないものがあります。不可算名詞の多くは形容詞がつくと可算化されa/anがつきます。例えば、「月」はthe moonですが、「三日月」はa crescent moon、「満月」はa full moonといいます。weatherは常に不可算の名詞です。「いい天気」はa fine weatherではなくてfine weather、「悪天候」はa bad weatherではなくてbad weatherになります。

weather conditions気象条件
weather forecast天気予報
weather map天気図
weather situation天気状況

weatherの例文

What’s the weather like today?
今日の天気はどうですか?

The weather seems to be getting worse.
天気が悪くなっているようです。

Our flight was cancelled owing to bad weather.
悪天候のためフライトがキャンセルされた。

The picnic will be held tomorrow, weather permitting.
天気が良ければ、ピクニックは明日開催されます。

「気候」はclimate

気象庁によれば、気候はある程度長い期間における気温や降水量などの大気の状態を意味し、その気象状態は平均値で示されます。この平均値は平年値気候値と呼ばれますが、climateと同じように30年間の平均となります。例えば、「カリフォルニア州の気候が好きだ」という場合は今年の天候状態だけを意味するのではなく、それなりに長い期間継続する気象状態の特徴を指します。climateと気候はともに1年を周期としています。世界の気候は「熱帯気候」、「乾燥帯気候」、「温帯気候」、「亜寒帯気候」、「寒帯気候」に分類されますが、これらは1年間を通してみた気温、湿度、降水の違いから区別されています。1年単位の気象状態が基準となるので「今日の気候は」といい方はしませんが、一か月以上の気象状態は気候と言ってかまいません。季節の変わり目には「気候が変わる」という表現を普通にします。

climateの用法

気候はclimateと訳します。weatherが不可算名詞なのに対し、climateは数えられるので単数の時はa/anがつき、複数形にもなります。

Undoubtedly a warmer climate would promote health.
温暖な気候が健康を促進することは間違いない。
Parakeets usually do not survive in cold climates.
インコは寒冷地では生きられないことが多い。

climate change気候変化: 平年の平均的な気候が長期的な時間スケールで変化する現象
climate variation気候変動: 平年の平均的な気候からの偏差
climate variability気候の変動性: 気候の平均状態や標準偏差におけるばらつき
climate normals気候平年値: 30年間にわたる気象観測の平均
climate prediction気象予測
Mediterranean climate地中海性気候: 一年中温暖で夏季に乾燥し、冬季は多雨


climateの例文

Many people do not like to live where the climate is cold.
多くの人は、気候が寒いところに住むことを好まない。

San Francisco has a warm, dry climate.
サンフランシスコは温暖で乾燥した気候です。

Japan has a mainly temperate climate, ranging from cold in the north to subtropical in the south. 
日本の気候は主に温帯気候で、北は寒冷地、南は亜熱帯となっています。

Scientists are assessing the impact of carbon dioxide on the global climate.
科学者たちは、二酸化炭素が地球の気候に与える影響を評価しています

「天候」はweather

天候は一般的には数日から数十日程度の平均的な大気の状態とされます。天気より長く、気候より短いと考えてかまいませんが、その違いは厳密ではありません。天気と同じ意味で使われることもあります。例えば、天気の代わりに「今日の天候は曇り時々晴れです」、「天候の回復を待つ」と言っても何も問題ありません。この場合、天候の方がやや硬い表現という程度の違いしかありません。また、気象庁の「日本の天候の特徴と見通し」には年間の平均気温、降水量、日照時間を示した「日本の年の天候」という項目もあり、かなり長い気象状態についても天候という言葉が用いられています。

「天候」の英訳

天気はweather、気候はclimateと訳してほぼ間違いがありませんが、英語には「天候」に相当する単語がありません。そこで文脈に応じてweatherもしくはclimateと訳しないといけませんが語感的にはweatherに近いです。1カ月以上の大気の状態を意味しない限り、weatherと訳しましょう。

The weather has been getting worse since this morning.
今朝から天候が悪化している。

This year’s bad weather has delayed the growth of vegetables.
今年は悪天候で野菜の生育が遅れている。

Agriculture is strongly affected by weather conditions.
農業は天候の影響を強く受ける。

Due to the terrible weather we will be closed tomorrow.
明日は悪天候のため休業いたします。

「気象」はmeteorological phenomenon?

大気中に生じる様々な自然現象をまとめて気象と言います。雨・雪・雲のような日常的に起きる現象から、竜巻・台風・エルニーニョのような突発的なものまで幅広く指します。気象は天気・天候・気候と意味合いが明らかに異なります。後者はある期間における大気の状況を全般的に示しますが、気象は期間の概念がなく、特定の大気の状態や変化が突発的に起きても長期間続いても気象と見なされます。

「気象」の英訳

和英辞典には、気象の訳はmeteorological phenomenon (複数の場合はmeteorological phenomena)と書かれているかもしれませんが、非常に硬い表現です。日本語の「気象」も日常会話ではあまり使われませんが、英語のmeteorologicalはさらに学問的・専門的な用語です。「気象」の英訳は専門用語を除き、ほとんどの場合でweatherと訳することをお勧めします。ただし、climateと訳することもあるので注意が必要です。

meteorology気象学
meteorologist気象学者
meteorological observation
weather observation
気象観測
meteorological observation station
weather observation station
気象観測所
the Meteorological Agency気象庁
National Weather Service(米国)国立気象局
National Weather Satellite Center(米国)気象衛星センター
weather data気象データ
weather forecast気象予報
weather forecaster気象予報士
weather front気象前線
weather information system気象情報システム
weather map気象図
weather observation radar気象観測レーダー
weather pattern気象パターン
weather phenomenon気象現象
weather radar気象レーダー
weather satellite気象衛星
Climate Prediction Center(米国)気象予報センター
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